福岡県ジュニアサッカー少年死亡事故(2)

お父様のお話し続き・・・

 

病院に搬送され、何とか心臓も動き出し自発呼吸も戻りましたが、それまでの時間が長く脳に酸素を送れず、二週間意識の戻らないまま頑張りましたが、9歳という短い人生を終えてしまいました。

 

医師の話では、心臓が動き出し自発呼吸が戻ったのは信じられない程の回復でした、彼の生きたいという気持ち、生命力があった為、倒れた時にきちんとした処置がなされていれば良かったと話されました。

 

妻も幼い娘2人の面倒であまり試合を集中して見れていなかったようです。


私はクラブに何故この様な事故が起きたのか説明を求めましたが、「体調不良には気が付きませんでした」、「何も異常は見受けられませんでした」等と返答し私は納得いきませんでした。

 

直接監督に「何故息子が体調不良を訴えた時、選手交代や親に知らせたりしてくれなかったのですか?」と聞くと、「交代選手を用意していませんでした」「体調不良には気が付きませんでした」との返答でした。

 

支部長は社員全員毎年、救急救命の講習を受けていると話しましたが、直接監督に聞くと入社後一度も受けた事はありませんと話すなど、嘘ばかりをつかれ話にならなかった為、私は会社に説明を求めましたが、会社側は直ぐに窓口に弁護士をたて会社に直接話を聞く事ができなくなりました。


仕方なく窓口の弁護士に話を聞こうとしても弁護士は状況をあまり把握していないようで何も分かりませんでした。

挙句の果てには、「そんなに納得いかないなら裁判をしたらいい、10対0で勝ち目はないですが」「見舞金として300万ならあげますので早くお墓を買いなさい」など酷い事を言われました。
 

大人のサッカーでも松田選手の様に突然死というのは少なくないと聞いておりますし、子供達は大人より自分の異変を伝える事も難しいと思います。

私は、二度とこの様な事故が起きてほしくないし、息子死を無駄にするわけにはいかないと強く思い訴訟を起こす事を決断しました。
訴訟では、保険加入義務違反、安全配慮義務違反で訴えました。


クラブのサッカー手帳にはスポーツ保険に加入しているので怪我をした時は保険が出るという趣旨の文章が記載させていて、監督からもそういう説明は受けておりました。
しかし、実際はスポーツ保険には加入しておらず会社的に損害賠償保険にしか加入していなかった為です。

 

裁判中、裁判長からの質問で「何故手帳には加入していないスポーツ保険に加入していると記載しているのですか?」という質問がありましたが、その回答は「形的にそう記載していた方がいいと思ったので」と回答。

安全配慮義務違反についても覚えていません、分かりませんなどと、これが5万人もの会員の子供達を抱える会社の言う事か?

という事と第一審では指導員の安全配慮不足が直接息子の死に至るまでの因果関係にはならないという事でこちら側の訴えたを全面破棄という判決、法律でもこの様な事が通るのか?

と、第一審の判決でも何ら真実が明らかになったわけでもなく、このままでは今後何も変わらないと思いましたし、判決文の内容も全て納得いかず、控訴する事にしました。

 

控訴審では、裁判長は私どもの訴えを良く理解していてくれてる様子でしたし、被告側に厳しい質問等もさせておりまして、また再発防止の為にどういう事をしなければならないか等と話に出ておりました。

 

しかし、私どもの代理人との話合いの結果、やはり死に至るまでの因果関係の立証は難しい、ということで、最終的にお互い和解案を出し合い裁判所でまとめ、お互いが了解すれば和解という事になりました。

 

裁判所から出された和解案には私どもが出した和解案の内容が細かく盛り込められており、調書には私どもが最初からずっと訴え続けた、息子は指導員の指示に頑張って従い倒れたという事。

 

その旨の内容も記載されておりましたので、この裁判では和解し今後きちんとこの和解案に基づき対策、再発防止に努めているか見守り、沢山のクラブ、チーム、学校等で子供達が安全にスポーツをできる事に少しでも力になれれば幸いですし、息子も喜ぶ事と思っております。

 

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