茨城県水戸剣道部員死亡事件(3)

<事件当日の様子、続き>

 

顧問は、こう述べています

・僕は、高井君は足が痛くて倒れたと思っていました。

・僕は、掛かり稽古をしていたので見ていません。

・僕は、太鼓をたたいていたのでみていません。

・僕は、水をみんなに配っていたので分かりません。

 

学校側から保護者会もなければ、説明すらありません。

 

学校側からすれば、何百人いる生徒の中の一人が死んだだけと思っているかも知れません。

でも、私たちにとってはかけがえのない、愛する我が子なのです。

 

大切な命なのです。

 

なぜ竜也が命を落とさなければならなかったのか、私の耳に入ってくるのは学校でも顧問でもなく、回りまわってきた噂話と、当時稽古に参加していた数人だけで、他の部員も顧問も真実を話そうとしてくれませんでした。

 

私が、他の人から聞いた話を事実か確かめようと顧問に電話すると、教えてくれるどころか逆に激高され、こう言われました。「お母さんは誠意、誠意って言いますが、誠意って何ですか!それとも僕が牢屋にでも入れと言うんですか!」

 

竜也は、どんなに辛く、悔しかったか・・・ 私が道場にいれば息子は命を落とさなくてすんだのに、親なのに助けてあげることが出来なかった、毎日自分を責める事しかできません。

 

OBや先輩の言いなりに稽古をする指導者がいるなんて・・・。

何年も剣道をやっている人が、なぜおかしいと気づかないのか、OB,先輩の「そのうち気が戻るから」の言葉を受け入れてしまうのか、OB,先輩に何も言うことが出来ない指導者が指導する資格があるのだろうか・・・。 私には理解も納得も出来ません。

 

毎年、文科省から必ず熱中症についてのマニュアルが全国の学校へ出ているはずです。なのに、このマニュアルが何の役にも立っていなかったことが残念でなりません。

 

今、私にできることは、竜也の死を無駄にしないことです。

 

竜也は、中学の剣道部では部長を務め、小学校の時は野球のキャプテンも務めムードメーカーとして、みんなから親しまれる子でした。

 

一人でも私と同じ思いをしないですむ人がいるのなら、1人でも命を落とさないで済むのなら、私は多くの人にこのことを伝え、命の大切さ、尊さを知ってもらいたいと思います。

 

私にできる事は、同じ犠牲者を出さない様に、再発防止を訴え続ける事です。

 

それが竜也の一番の願いだと信じているからです。

 

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