茨城県水戸剣道部員死亡事件(2)

<事件当日の様子、続き>

竜也はこの間、何回も倒れては起き上がり、稽古を続けさせられます。

 

顧問に「高井!立て!」「気合だ!」と怒鳴られ、そのうち竜也は自力では立てなくなり、3年生とOBに無理やり立たされ稽古を続けさせられます。

 

そのうち、自力で立つことも、動くことも出来なくなっていた竜也に、3年生とOBが竜也の背中を何度も竹刀で殴り蹴り飛ばし、両腕と襟足を持ち無理やり立たせ稽古をつづけさせました。

 

その時の竜也は目を閉じたまま稽古をしていたそうです。もうふらふらで意識も遠のいていたのでしょう。

 

その後、部員、顧問は道場の入り口で水分を取っていました。

 

竜也が倒れているのに気付いた3年生が、大きな声で「白目をむいて、口から泡吹いてます。」と顧問に伝えましたが、「疲れているのだろう」と言い様子を見に行くことはしませんでした。

 

たまたま私が様子を見に道場へ行くと、そこにはいつもと違う竜也の姿がありました。

 

白目を剥き、手足が痙攣し、「う~う~。」と声をあげていました。私は冷たいタオルで冷やしながら、いつもの竜也に戻ってほしいと必死で竜也の名前を呼びました。

 

その時、部屋の外から「竜、竜、だってよ・・・」と笑い声が聞こえてきました・・・。

 

「救急車!呼びますから!」と私は自ら救急車を呼びました。

 

救急車の中で嘔吐し、その中には血も混じっていました。その時の体温は42℃。

 

医師から、「もし、奇跡が起きて命を取り留めたとしても、この状態のままです」と聞いた時、私は自分の身体が粉々に砕けていく気がして、座り込んで大声で泣きました。

 

病院に運ばれた息子は、目を覚ますことなく何もしゃべらす翌朝、天に旅立ちました。

 

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