栃木県 高校山岳部 雪崩死亡事故

2017年03月30日 06:44
3月27日午前8時30分ごろ、栃木県の那須温泉ファミリースキー場で雪崩が発生し、登山の講習会に参加していた県立大田原高校の16~17歳の男子生徒7人と男性教員1人の計8人が搬送先の病院で死亡した。


雪深い山で雪をかき分けて進む「ラッセル訓練」の途中で雪崩に巻き込まれたという。県警は引率教員らの判断にミスがなかったかどうか、業務上過失致死傷容疑で捜査を始めた。


県警によると、死因はいずれも圧死。雪の重みで呼吸ができなくなったとみられるという。


県教育委員会によると、講習会は県高校体育連盟主催の春山安全登山講習会。積雪のある時期の登山の理解を深め、事故防止に役立てる目的で、25~27日の日程で大田原を含む県内7校の山岳部の1、2年生と教員計62人が参加していた。


記者会見した県教育長によると、27日は茶臼岳への往復登山を予定していたが、雪が激しく降る悪天候のため、午前6時に中止を決定した。その後、午前7時半になってゲレンデ周辺で、当初の予定にはなかったラッセル訓練をすることにした。生徒40人と教員8人の計48人が午前8時から5班に分かれて訓練していたが、その途中に雪崩に巻き込まれた。大田原高校の班が先頭で進んでいたとみられる。


栃木県は27日午前10時に災害警戒本部を設置。陸上自衛隊に災害派遣を要請し、福島県やさいたま市の消防も救助活動に加わった。栃木県内の災害派遣医療チーム(DMAT)も出動し、県の消防防災ヘリやドクターヘリが緊急搬送にあたった。


県教育長によると、講習会は毎年この時期に開催し「これまで10年以上はこうした事故はなかった」と述べた。講習会を主催した県高体連の橋本健一会長は「春山は残雪が多く、非常に危険なため講習会は重要だ」と説明した。


県警によると、死亡した8人のほかに、訓練に参加した生徒と教員の計40人全員が負傷した。うち男子生徒2人が重症で、男子生徒4人と教員1人の計5人が骨折などのけがをした。