アスレティックトレーナー 一原氏インタビュー(4)

国内では、まだまだ保護者は外傷に対して、そしてケアに対しての対応に不安を覚えているようです。

SPJ(Sports Parents Japan)でのセミナーでもよく出る質問です、もしよろしければお答えいただけますか?

 

Q:冷やす、のはコールドスプレーはダメですか?湿布でもいいですか?そもそもアメリカのスポーツ現場にコールドスプレーはありますか?

A:僕が知る限りでは、アメリカのスポーツ現場でコールドスプレーを使うことはないですね。湿布のようなものはありますが冷却、という目的ではなく鎮痛ですね。まずは氷でのアイシング、そして圧迫が基本です。

一瞬の冷却で痛みが減ったように感じるかとは思いますが、もしかしたら骨折しているかもしれないし、プレーを続行してしまったせいで腫れや痛みが増してしまったり、なおかつそれ以上プレーが出来なくなった場合、復帰に時間がかかってしまう、というリスクも頭に入れて対応しなくてはいけません。

 

Q:小学生の練習で、夏場、吐くまでダッシュをさせられるのですが、良いのでしょうか?

A: 夏場におう吐、という症状の恐ろしいところは脱水がおこってしまうことです。また、吐きながら練習を続けることで果たしてパフォーマンスの向上やトレーニングの効果が期待できるのかと考えると?ですよね。

 

◆一般の方からいただいたご質問

神奈川県  男性
【質問内容】
Q:小学生の野球ですが、試合前に一番重要なアップは何でしょうか?ストレッチ?柔軟?ダッシュ等。試合前は時間が無いので効率良く、キャッチボールに入って行きたいのです。ご教示お願いします。

A:10、15分くらいで十分なアップができます。じっくり柔軟、ということよりもダイナミックな動きを徐々に上げて行って、最後は塁間のダッシュなどをして完了、というので十分だと思います。イメージ的にはやはりサッカーで言うブラジル体操のようなものでしょうか。

https://www.hb-nippon.com/column/523-self/6595-20100930no05self

高校野球ドットコムにあるコラム“怪我に強くなるセルフコンディショニングのすすめ”に多くの情報が載っていますのでそちらも参考になさってはいかがでしょうか。

 

東京都 保護者  女性
【質問内容】
Q:日本は高校野球は春夏の甲子園が盛り上がりますが、アメリカの高校野球はどうなんでしょうか?高校にクラブはあるのですか?それとも外部のクラブチームに所属するのでしょうか?

A:各高校に日本と同様部活動があります。ただ、シーズンによって様々なスポーツをする文化があるため、野球のみ一年間やるということはなく、いくつかのスポーツを時期によって変えていきます。甲子園のような全国大会は恐らくないと思います。州によってレベル分けのシステムも違い、学校の規模・生徒数などによって分類されます。ただ、アメリカ内の有望な選手はレベルに関係なく各地で選抜として扱われ、毎年トライアウトキャンプのようなものを行って高校代表を決めるようです。

 

最後にスポーツペアレンツの皆さんへ一言お願いします。

保護者の方というのは、トレーナーに似ているのかな、と思います。

子ども(プレーヤー)の状態やちょっとした変化に素早く気づけるのはやはり一番近くにいる保護者の方なのだと思います。

 

他の子と比較するのではなく、目の前にいるわが子の成長を共に喜び、温かく見守ってあげて欲しいな、と思います。

 

『できなかったことができるようになる』 こういった場面をたくさん見る事ができるのが、子供の時だと思います。

本人もそれを実感し、保護者もその一つ一つに気づいてあげることができれば、スポーツの能力だけでなく、多くのことにチャレンジして『できること』を増やしていけるような子を育てる事ができるのではないでしょうか?

 

一原さん、長時間の取材にご協力いただきありがとうございました!

今後のご活躍、応援しております!

 

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