専門家インタビュー

日本ライフセービング協会 小峯先生④

海での事故、は決して他人ごとではありません。

保護者として、そして子供の側にいる大人として、子どもの命を守るためになにができるのか?まずは知ることから始めましょう。
 
<海水浴場での事故の現状>
 

Q:日本の海水浴場では、年間どれくらいの事故が起こっていますか?

A:わが国では年間約1400件の水難事故が発生し、約800人の尊い命が失われています。

水難事故は6月~8月の3ヶ月間に多く、また発生場所は海が約50%を占めています(警察庁統計より)。

 

以下、2012年度、JLA(日本ライフセービング協会)に登録がある全国の監視活動エリアから提出された報告書より

 ◆総レスキュー数  1,985件

 ◆Emergency Care 12件  意識なしの重溺者 

 ◆Preventive Action 1,973件  意識のある溺者(自力行動ができるまでのフォローや救助器材での移送など)

 ◆ファーストエイド 12,406件

 

Q:年代別にはいかがでしょう?

A:これまでの統計からすると、20~24歳が約24%、5~9歳が18%、10~14歳が14%という傾向があります。

 

Q:海で安全に活動するための指針などはありますか?

A:日本ライフセービング協会発行の、「海の安全11箇条」を是非ご覧ください。

 

<水の活動における保護者の役割>

Q:水辺の活動で親が気を付けるべき点などがあれば教えてください。

小さいお子さんでしたらライフジャケットやウェットスーツなど浮力あるものを身につけさせておくとよいでしょう。

とにかく、お子さんから目を離さないように注意してください。

 

Q:海にはライフセーバーがいてくれるところも多くあるかと思うのですが、監視がない川やプールで遊ぶ際の注意すべきことがあれば教えてください。

A:海で活動する際と同様です。浮力のあるものを身につけさせ、目を離さない!

 

<海の危険にいついて>

Q:「リップカレント」とは何ですか?何が怖いですか?その対応法について教えてください。

A:リップカレント=離岸流(りがんりゅう)は、沖へ向かう水の流れのことです。この流れに乗ってしまうと、どんどん沖へ流されます。海水浴場でおぼれる人は、この離岸流に流され、岸に戻ろうと泳いでいるうちに泳ぎつかれてしまうことが多いのです。

 

離岸流の見分け方があります。                                                  小峯先生から頂戴したライフセービングに関する資料諸々

・周囲の色と異なり海底が濁っている。

・波の白い泡やゴミが集まって沖へ流れている

・波がなかなか崩れにくいところ

また、岩場やとっていのある付近も複雑な流れがありますので、注意が必要です。

 

離岸流からの脱出方法は、

1:パニックにならない・・・流れが速いものもありますが、ある程度沖まで流されれば流れは弱まります。落ち着いて次の行動を考えます。

2:流れから逃げる・・・泳ぎに自信がある人は、岸に向かって45度の角度で泳ぎます。泳ぎに自信がない人や、流れが強い場合は、いったん岸と平行、真横に20~30m泳いでから岸に向かいます。、

 

Q:また、風に流されて、というのも原因で多いですね。気を付けるべき点などを教えてください。

A:沖から陸に向かって吹く風、はそれほど心配ありませんが、陸から沖に向かって吹く風は、見た目には荒れていなくても沖へ流されやすくになりますから注意してください。

 

Q:海水浴場で良く聞くのが「くらげ」の被害。親ができる対処法を教えてください。

A:触手を取り除いたうえで、氷のう等で冷やすと良いでしょう。

 
 
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