専門家インタビュー

日本ライフセービング協会 理事長 小峯先生③

<子供を育てる、ということについて:今、親や指導者の役割とは?>

 

Q:先生のご両親はどんな方だったのですか?

A:父は非常に温厚で、優しい人でした。怒られたこともありません。一方で、母は厳しいひとでした。褒められた記憶もないほどです(笑)。

 

Q:ずいぶん対照的なお二人だったのですね。

A:そうですね。

 

 

 

Q:何か思い出深いエピソードなどがあれば教えてください。

A:父は普段声を荒げたり、怒鳴ったりすることはありませんでしたが、一度私がちょっとした悪さをしたのです。(内容はこちらでは伏せておきます・・・笑)

 

それを見つけた私の父は、一言

 

「この行為は美しくない」

 

と。

 

これには参りました。

当然、悪さがバレ、怒られるものかと思っていた私は、自分がした行為が「美しくない」と言われ、かなり落ち込んだのを覚えています。

 

一方、母は本当にユニークな人でした。私が家の中を走り回り、柱に頭を強打し、頭からかなりの出血をしたことがありました。

当然、子どもの私は母がすぐに「大丈夫?」と手当てをしてくれるものかと思っていたのですが、母は血だらけの私を見て一言、

 

「柱に謝りなさい!」

と。

 

Q:「柱に謝る?」

A:そうです(笑)。「柱が痛がってるわよ、まず柱に謝りなさい。」と。

 

Q:かなりユニークな方ですね。

A:そうでしょう?

私は訳がわからなかったのですが、とりあえず柱に向かって「ごめんなさい」と謝りました。

すると母は、「はいよろしい、じゃあ傷口を見せてごらんなさい」

と。(笑)

肝の据わった、ちょっとのことでは動じない母でしたね。そして常に驕るな、謙虚であれ、と。

 

Q:それは先生ご自身の育児にも影響されていますか?先生の「育児論」などがあれば、是非ご教授ください。

A:確かに、同じような方法で子供を諭しているかもしれませんね。ですが偉そうなこと言えません、本当に放任です。。。

ですが、私が「そうか!」と教えれた子どもへの愛情の伝え方があります。(最後のメッセージ動画にてご紹介します。メルマガ読者先行配信中!)

 
<指導者とは?>
 
Q:小峯先生が大学において、生徒と向き合うときに心がけていることなどはありますか?
A:私は、大学での講義90分、100名を相手に講義をしているわけではありません
例えば、これから教員になろうとしている学生に向けた救命救急の授業であれば、その学生が将来教師になった時、その教え子の命を預かる人間を今、育てているのだ、と意識しながら教壇に立ちます。
学者とはよく言ったもので、常に学ぶ人間が、学者であるということ。
大学生の成長は本当に早い。教える立場の人間は、そのすさまじい勢いで成長してくる子供のさらに前に行っていないと、教えることなどできないと思っています。
そしてさらに、学生が「何それ?」と驚くような引き出しを1つでも多く持っていないと、学生はついてこないと思っています。
 
Q:小峯先生が考える「指導者」とは?
A:1年契約!
 
Q:・・・と言いますと?
A:学生から求められる指導者でなくてはいけない、と思うのです。1年経って、さぁ、次の年も自分は求められ、教壇に立つ資格があるのか?ということを常に意識できる人間でありたいと思います。
 
Q:長く教育に携わってきたお立場から、最近の子どもたちは変わってきた、と感じられますか?
A:子供は変わっていない、私は、大人が変えてしまったのだと思っています。
あいさつができない子供は、あいさつの基本を親から教えられていないから。
しかしあいさつというのは、そもそも教えるというものではなく、親がきちんとしたあいさつができ、その様子を子どもが間近で見ていれば、自然とできるようになるのです。
 
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