専門家インタビュー

早稲田大学大学院 スポーツ科学研究科 大伴氏(2)

【脳震とうについて】

 

Q:脳震とう、とはなんでしょう?

A:頭や体に衝撃が加わり、脳が揺さぶられ、脳がつかさどる機能に障害が出る、というものです。

 ◆症状:頭痛(圧迫されたような)、吐き気(嘔吐)、めまい、眠気、興奮、ぼーっとする、神経質や不安になる、など、症状は色々あります。

 ◆原因:脳の神経線維が捻じれたり、引っ張られたりして、信号を送ることが一時停止されたり混乱したりするため、と言われています。ですが、詳しいことはまだよくわかっておりません。

 ◆後遺症:現在、日本では後遺症についての研究は進んでいません。欧米では特にNFLの選手を対象に進められています。

 

Q:国内のスポーツにおいては、どれくらい発生しているのでしょうか?

A:これに関しては、ほとんどデータがないんです。

 

Q:どんなスポーツでの発生が多いと感じられますか?

A:どのようなスポーツでも発生しますが、やはりコンタクトの多いスポーツは多く発生します。ラグビー、アメフト、柔道などです。

 

Q:実際の死亡例や重症の事例などがあれば教えてください。

A:柔道に関しては、柔道事故被害者の会のHPにアップされています。教員が気付かなかった、という事例もありますが、同級生に過度な練習をさせられた、というものもあり、教員だけでなく生徒自身にも啓発する必要があると感じています。

 

Q:脳震とうは再発しやすい、と聞いたことがありますが本当でしょうか?既往歴を調べておくのは大切ですか?

A:はい、再発しやすいと言われています。また、既往歴がある人はない人と比べて回復に時間がかかる、とも言われています。

 

Q:セカンドインパクトシンドロームとはなんでしょう?

A:色々と議論されていますが、脳震とうを受傷していることに気付かず、再度衝撃を受けると脳震とう以上に重篤な傷害へと発展してしまう、というものです。

 

Q:脳震とうは何が怖いですか?

A:受傷したことに気付かないとさらに重篤な傷害、事故に発展してしまうため、怖いですね。また、回復していないのに競技に復帰してしまうと、長期化やセカンドインパクトのリスクが発生します。知っていると怖さを理解し、対応に万全を期すことができますが、知らないとチェックを全くしなかったり、最悪の事態につながる可能性がある、というのは怖いです。

 

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